大人も読める児童文学というのに興味があります。これから少子高齢化していく中、平均年齢は毎年上がり、商品や制度、常識が段々と大人向けに整備されてきています。大人達も昔子供だったはずなのに、子供心忘れ、不寛容な社会になりつつある場面も多くなってきているそんな気がします。子供心は、遠い昔に忘れ去られようとしています。色々な世代間の対話が必要です。 児童文学は、そんな子供心を思い出させていくれるそんなものの1つだと思います。子供の頃読んだ人は懐かしさを、そして、また違う味わいを、初めて読む人は、新しい感動を呼び起こすでしょう。 そして、成長の過程で、その時その時の出会ってきた心、成長をやめてしまって置き忘れてきてしまった心、に再開したり、刺激を受けて、成長を始めるかもしれません。言葉が心を開いていくことがあるのだと思います。 各地で読書会が開かれています。子供向けとバカにせず、一度足を運んでみては如何でしょうか。世の中の不思議を伝えてくれる機会になるかも知れません。実は僕も読書会にたまに足を運びます。違う世代の方、違う価値観の方々との語らいが楽しみです。また取り上げられる作品が魅力的で、一粒で2度美味しい感じです。また近いうち伺いますね、教えて、Y先生。 さて、Eテレの100分で名著で先月は「アルプスの少女ハイジ」を取り上げていました。アニメ作品で有名ですが、アニメを超える深い洞察や叡智に溢れる作品であることを伝えてくれるのと同時に、美しい自然描写や壊れた家族で、心痛めたもの同士が作る新しい関係性や人間の成長とは何かを考えさせられる番組でした。作品もまた時間が出来た時に読んでみたいと思います。 ハイジは色々な人に自分で関わり、人の心を開いていきます。関係性を忖度せず新しい関係性へ変容させていきます。おじいさんもハイジにより深く閉じた心を開き、そして、開いた心は、また親友と呼べる人に出会う、原作にはそういう場面もあるそうです。教えて、おじいさん、病んだ心は蘇ることが出来るのです。そして大自然の中におじいさんがいることが、大都会に出たハイジや、都市にすむ他の人々の心を救っていくのです。 「アルプスの少女ハイジ」は、スイスの作家ヨハンナ・シュピリの児童文学作品。1880年から1881年に執筆されました。原題は『Heidis Lehr- und Wanderjahre』(ハイジの修行時代と遍歴時代)及び『Heidi kann brauchen, was es gelernt hat』(ハイジは習ったことを使うことができる)。物語はドイツの文豪ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』及び『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』からその着想を採られた成長小説で、キリスト教信仰に基づく描写が多く見られます。ドイツ語圏スイスのデルフリ村、そして大都会フランクフルトでの生活が舞台となっています。 修行、遍歴、そして活かす(生かす)。人生は、段階を経て変容して成長していけるものです。それぞれの段階を完了させ、次の自分へと再構築していく。(ロルフィングと同じくプロセスを踏んで次の段階へいくという人間性に基づいた進み方です)自己変容は、人生百年時代の在り方への示唆が沢山含まれてそうです。 2015年に実写映画にもなってます。日本語吹き替え予告を紹介します。ハイジの声は花澤香菜さん。おじいさんは、波平役でおなじみの茶風鈴さん、クララ役には早見沙織さんと豪華な布陣です。