「自分の背中は、どういう感じですか?」と最初に聞かれましたが、私には答えるべき言葉がありませんでした。私は目に入るものに意識が行きがちで、視野に入らない背中は「背中」という存在でなく、ただ身体の裏側の別名、そうゆう在り方だったのです。
セッション後に感じたことは、円柱になったことでした。変な例えかもしれませんが、イメージとして浮かんだのはバームクーヘンでした。バームクーヘンは真ん中の穴も含めてバームクーヘンですが、自分という核が穴であり、それを守るように生地という自分がある感覚。自分が前面だけでなく、横も後ろも同じ幅をもっている感覚。その感覚にいると、必然的に視野も広がります。今まで180°見えているとするならば、左右+30°ずつ後
ろ側に240°の視野がある感じがするのです。後ろが少しでも見える安心感は、視覚に頼り
がちな私にとっては大きな拠り所です。
ニュートラルな立ち方、歩き方、屈伸を何度も行いました。些細な動作ですが、だからこそ重心の位置が前にあることに気づかされました。前のめりです。確かに、最近、頭を常に使っている毎日で時間に追われています。それが、身体や動作に表れているといえるのでしょう。カラダは正直です。ニュートラルな動作を意識した身体の在り方は、私の考え方や生き方を地に足のついたものにしていく。そう信じられるのです。