
○ロルフィングを受けてみようと思ったのは?
女優の大倉マヤさんのファンで、こちらのサイトのインタビュー記事を読んだのがきっかけです。もともとアロマやマッサージに興味があり、大倉さんのインタビューを見て、身体によさそうだと思い、施術を受けることにしました。教員の仕事は基本的に忙しく、継続して身体のメンテナンスをすることは難しい環境です。他の人が代わりに授業を教えるということはできないため、休むことが難しく、体調が悪くても無理をしてしまうことが多いのです。
また、子供たちや保護者、他の先生など、人と接する機会が多い仕事ですから、常に気を遣います。そのため、身体的な疲れだけでなく、精神的な疲れも大きいのです。「身体のどこかが悪くなったから、治療に行く」という考え方では、「また悪くなったら通って」というサイクルになり、効率が悪いと感じていました。
○10シリーズを受けて、変化したことは?
まず、「きちんと歩けるようになったこと」です。中学生の頃、足のアザを切除する手術を受け、1カ月半ほど歩けなかったことがあります。左膝や左足首に違和感があり、ぺたぺたと歩くような感じで、左足に重心を置いて安定して立つことができませんでした。ロルフィングを受け、足の裏にアーチがあることに気づき、踵もちゃんと地面に着くようになりました。地面から膝の裏を通って、身体に一本の軸ができたように感じます。両足がしっかりと着地していると、姿勢が安定するようになりました。
それから、仕事で疲れると肩に負担がかかり、痛みを感じるようになりました。少し忙しいと思うと、目から肩や背中に痛みが出て、最後は頭痛になっていました。だんだんと姿勢も悪くなり、辛かったのですが、今回は忙しい時期にもそのような症状は出ませんでした。
以前は週末になると身体が痛く、日曜日は疲れを取るために寝て過ごしていました。今は「日曜日に寝ているのはもったいない」と感じるようになり、「丸一日寝て過ごす」ということがなくなりました。さらに、身体を動かすことに対して「面倒だ」と感じることが減りました。通勤電車で立ったままでも「座りたい」と思わなくなり、黒板に文字を書いていても「腕が痛い」と思わなくなりました。
また、視覚や視界に関する認識が変わりました。視界が広くなっただけでなく、視覚的に入ってくる情報の質が変わったように思います。これと関係があると思いますが、服選びが変わりました。今までは色や柄を組み合わせて服を選んでいましたが、自分を立体的に見られるようになったので、色数をあまり使わず、服のラインが綺麗なものなどを選ぶようになりました。コーディネートが変わり、「おしゃれになった」と言われるようになりました。
生徒からも「去年と全然服が違う」と言われました。持っている服は変わらないので、自分を立体的に見て服を選べるようになったのだと思います。
その他にも、体重が減りました。最初のセッションを受けた直後に1キロ減りました。また、周りの人から「変わったね」とよく言われます。今朝も同僚の先生に「朝から姿勢がピンとしているね!」と声をかけられました。まだまだ変化を感じています(笑)。
○10シリーズで印象的なセッションは?
最後のセッション10が特に印象的でした。身体が物理的に良くなっただけでなく、精神的にも安定し、達成感がありました。施術をしているのは吉田さんで、私自身が何かをしたわけではないのですが、なぜかすごく達成感があったのです。終わった後は本当に清々しく、まるで物語の主人公になったようで、帰り道は映画のエンドロールが流れているように感じました。それほど達成感があり、清々しかったのです。
私は物語を読んだり、演劇を見るのが好きです。通常、作品に感動した場合、その感動は「自分の外」にある出来事に対してですよね。でも、ロルフィングの場合は、自分の身体の中に変化が起き、感じるのは自分です。実際に姿勢が良くなったり、歩きやすくなったり、変化が自分の身体、つまり「自分の中」に起きるのです。これは経験として本当に面白かったです!
もう一つ挙げるなら、6回目のセッションです。これは背中のセッションで、施術中はすっかりリラックスして、吉田さんの言葉を何となく聞きながら少し眠くなっていました。背骨を触れられていたとき、突然、子供の頃の記憶がパーッと蘇ってきたのです。私は幼少時にカナダに1年間住んでいたのですが、そのときのオタワの川岸の芝生に座っていて、風が吹いて、光がキラキラしていた、そのとき自分が感じていた身体の感覚を思い出したのです。
これはうまく言えませんが、目で見た記憶ではなく、肌で感じた空間の記憶です。何年も思い出さなかったような記憶でした。同時に、好きだった曲も思い出しました。とても驚きました。記憶自体はあるけれど、感じていたことをダイレクトに思い出すことは、普通はありません。「感覚を思い出した」というのは素晴らしく、とても興奮しました。家に帰ってから、小さい頃の写真を引っ張り出してきました。「もう一度自分に出会い直す」そんな感覚が得られたと思います。
○ロルフィングについて
ロルフィングは、「継続的によくなっていきたい」という人にオススメしたいです。単発で「悪くなったところを治しに行く」のではなく、普段仕事をしていて「うまくいかない」とか、「疲れが溜まっている」という人が受けてみると、かなり変わると思います。10回という時間をかけて受ける意味があると思います。
悪くなった部分の「治療」とは違うアプローチだと思って、受けてみるといいでしょう。治療というよりは、もう少し気軽に、映画を観たり本を読んだりする感覚で受けてほしいです。「変化する」という自分の中の感覚がはっきりとわかる経験は、他にはなかなかないと思います。旅行をするのと同じような感覚なので、「違う日常を経験する」という意味でも、オススメできます。
今は自分の足でちゃんと立てていることが嬉しいです。バランスが取れて、自分の足でしっかりと立てていると、「自分の人生を生きている」と実感でき、毎日が楽しいです。
先生の仕事とロルフィングには、似ているところがあるとも思いました。学校の先生は人間関係を作っていく仕事ですが、身体の中に繋がりを作るのと似ています。人間関係のうまくいかないところを調整していくのですが、どういう考え方で調整していくか、そういう考え方もロルフィングの考え方は参考になるし、本当に面白いです。
10シリーズはとてもドラマチックでした。実際にやっていた一つ一つの動き自体は、何気ないことでしたが、それが吉田さんの手にかかると別の意味を持つようになるのは、今思っても不思議です。私自身、飽きっぽい方なのですが、毎回変化が楽しみで、ワクワクして通えました。
○ロルファー・吉田の印象は?
安心してセッションをお願いできる方だと思います。例えば、人体解剖図などを使ってわかりやすく、詳しく教えてくれるので、身体のことも勉強になりました。また、毎回何かしらセッションに工夫があり、それを考えてやってくださっていたのだと思います。動きが多い回、静かな回など、いろいろなアプローチがあり、毎回飽きないセッションでした。
他のロルファーさんはわかりませんが、吉田さんは工夫が多く、引き出しが多いセッションをする人です。私は知らない人に身体を触られることに抵抗があるのですが、全く大丈夫でした。吉田さんは説明も上手ですし、こちらの意思を確認して進めてくれるので、安心できます。本当に毎回、楽しかったです。