ロルフィングでは、表面にある筋肉や筋肉を包んでいる筋膜だけでなく内部、深層にある筋肉、筋膜を扱います。
一般的な言葉ではインナーマッスルが当てはまりそうですが、マッスル(筋肉)だけではなくて、筋肉と筋膜の連なる連続体を活性化していく感じです。深層部の連なりは、ロルフィングではコアと呼んでいます。コアの概念は体幹部、或いは丹田の感覚を伸ばした軸構造体全体を指しています。
このインナーマッスルの連続体の体系が活性化すると、インナーからアウターへの連動からスムースな動きが無意識の起こります。アウターマッスルの連続体の体系が、効率よく使えるようになります。
そしてこの複数の身体内の連続体の体系をさらに繋いでいく膜のように何層にも連なる連続体の体系が身体の中にはあります。内側と外側を繋いでいるそんな体系もあります。
広義での筋膜体系は、基本的には結合組織ですからそれ自体の性質もありますが、繋いでいるもの通しを安定させたり、守ったり、拮抗させたり、活かしたり、情報伝達もしています。かなり複雑な事をしています。
セッションでは、この結合組織のネットワークに対して働きかけて、相互の情報伝達や、体全体でのバランスを取り合っているシステムに働きかけて、システム的なリニューアル作業をしていく事をしていることになります。伝達系も含まれますので、身体の状態と動きと脳に対する刺激となります。
通常無意識的に行われていることですので、基本的には無意識ワークであって、気づきが多くなります。ああ!と言われて気付く場合もあるし、言われなくても自分で気付く場合もあります。自分の身体の更新、以前と違う身体に気付く。とてもミステリアスな瞬間です。
特に深層の繋がりや存在感を感じる時は、びっくりすることもあります。自分の身体なのに、知らなかったことがあることに、自覚的に生きてきた人ほど驚かれるでしょう。
解剖学や、一般的な知識で出来た頭に風穴を開けるような身体経験をされる方も多いです。自分や自分の身体に興味が多い方なら、本当に不思議な経験をされるでしょう。感想をみていて、不思議な事を書いている方が多いのは、知覚が変容して、身体情報が更新されていく過程の話や、新しい身体感覚を得た時の話だからです。