PROFILE
Mikari Suzuki
Dancer ・バレエ講師・ピラティスインストラクター
○ロルフィングを受けてみようと思ったきっかけは?
ロルフィングという言葉自体は、15年以上前から知っていました。そのころ、私はアメリカの大学の舞台芸術学部に入り、踊りの勉強をしていたのです。あちらではボディワークに関する情報も多く、その中でロルフィングの話も聞きました。当時から気になっていたのですが、身体に関する事柄は安心できる場所でないと通えませんでした。あるとき、ピラティス関連の知人からの紹介を受けまして、その安心感から、これはロルフィングを受けるタイミングと思い、受けることに致しました。
○施術前、身体で気になっていた部分があったのですか?
私には先天性の鼠径ヘルニアがあり、7年前に手術をしました。そのヘルニアが原因で、20代後半から坐骨神経痛やその他の悪影響が出ていたことから手術を決断しました。手術は成功したのですが、その手術を終えてから左半身に負担がかかるようになってしまい、左の腹部に「詰まった感じ」がずっと残ってました。その「詰まった感じ」というのは、左の腸腰筋が縮んで、左脚を引き込んで左脚が短くなってしまっているような感じだったのです。それから鍼やマッサージなど色々試みましたが、一時的によくなるものの、また戻ってしまう感じで、効果が持続しませんでした。
○10シリーズを受けて、変化したこと、印象的だったことは?
1つは、ほかの方法では解決しなかった「詰まった感じ」が、最初のセッションで良い方向に動き出し、その症状が出なくなったことです。このよい状態はその後も継続し、時間をかけて自分が解れてほしいと感じる方向に解れていっている気がするのです。筋膜がほどけて、連鎖反応でどんどん解けていっている感じがしますね。
2つ目に、非常に楽な姿勢で立っている自分を発見しました。以前は骨をイメージして重力に逆らって立つというイメージだったのですが、筋膜を意識して立つというのも加わりました。私のイメージでいうと、例えば、植物の枝葉のように外に向かって広がろうとする筋膜のイメージを生かして立つと楽に立っていられるのです。
それから、シリーズに並行し自分でも紹介して頂いた書籍などで勉強したのですが、ある特定のラインが縮まっていたことに気が付いたのです。10シリーズをやっていく中で、それがハッキリわかり、そのラインがほどけていく感覚が、自分の感じているラインと一致してきたことが、自分としてはとても印象的です。
○今思うこと、これから実践していきたいこと
私は、筋膜について存在自体は知っていたけれど、これまで勉強して来ませんでした。ロルフィングをやってみて、筋膜のつながりを再認識しましたので、解剖学や筋膜の書籍で勉強し直している最中です。今までは「筋肉と骨」という観点だったところに、新たに「筋膜」という観点を得られました。施術で楽になった部分と、自分自身が理解して身体の使い方が変わった部分の気づき、その両方で身体が楽になったのだと思います。
ダンスもピラティスも、ストレッチや伸ばすことはできても、解すことはなかなかできません。ロルフィングは、マッサージのように揉むわけではないのに、なぜか解れる。ちょっと触って、その結果慢性的だったコリが解れました。ピラティスのお客さんでも、この人は毎回ここが凝っているなという人や、この人の身体のクセを変えたいなと思っても、運動では筋肉のクセは変えづらい面があります。ロルフィングには、その答えがあるような気がしています。今後チャンスがあったら、ロルフィングの技術や考え方を学びたいですね。それを、さらにこれからの生活や仕事に使っていければいいなと思っています。
○最後にロルファー吉田の印象は?
私は身体の感覚が鋭敏な方なのですが、それ故に、なかなか他人にはわかってもらえない部分がありました。自分でピラティスや解剖学を学んだこともあって「今は○○筋が縮んでいるんだな」という感じで、筋肉のイメージができています。ただ、これまではそのイメージをうまく受け取ってくれる施術者の方がいませんでしたが、吉田さんはそのあたりを、かなり的確に理解してくれました。また、体や健康の知識も豊富なので、いろいろと教えていただけて毎回楽しいセッションでした。