筋膜とは、身体中に張り巡らされている白い薄い繊維状の膜です。
英語のfasciaを筋膜と訳しているため誤解されがちですが、筋肉だけを包む膜だけが筋膜でなく、英語の connective tissue(膜状の結合組織)を含めて、筋膜というものの全体像となります。結合組織の膜と捉えると、人体や間接包、臓器、支帯、脊髄硬膜、大脳鎌、小脳テントなどの組織を含みます。
世の中一般にいう、筋膜リリースというのは、主に筋肉の周りの膜や、一部表層筋膜を緩めることを指します。ロルフィングでは、この結合組織の域での膜の全てを扱ってセッションを進めています。だから楽になる。ほぐれる以外の効果がロルフィングでは出てきます。(参照トップページ。)
どの筋膜体系を意識してどんなセッションをしているかはロルファーにより見解やセッション内容が異なります。私の場合は、体のことは体だけでは成り立ってなく、心理面含めて、体と心両面から捉えてロルフィングを行なっていくというのが私のセッションです。
tissueというのは、最近だとエアリアルの時に使うカーテンみたいなのもtissueと言いますね。あとティッシュペーパーもティッシュ一緒のスペルです。イメージでいうと、膜状のものが重なり合っている、あるいは結合しているもの。そんなイメージです。また余談ですが、筋膜というのは、コラーゲン、エラスティン繊維でできています。刺激すると色々といいことがあります。
筋膜ということで覚えておいて欲しいのは、かなり広範囲で、体全体に影響を与えるものだということ。この広い意味での筋膜は、骨、内臓器官、血管、神経など身体のあらゆる構成要素を包み込み、それぞれの場所に適正に位置するよう支えています。
歪みというのは、実は筋膜の歪みであって、すごく単純に考えると、背骨がとか、筋肉のコリとか、思いがちですが、深い意味での細かいレベルで歪みが表層からそして深層の筋膜に及んで存在しているということです。私たちの体は、全身が筋膜という膜で中身を傷つけないように、関係性を保つ感じで包まれているのです。ロルフィングを受けると、今まで起きなかった変化や、他の施術にない効果が出ることがあるのは、こうした表層から深層、身体中に影響を与えている部分を扱っているということがありますね。