古宇利島は、沖縄本島北部にある屋我地島の北に位置し、今帰仁村に帰属する有人島。離島ならではの美しい海や「沖縄版アダムとイヴ」と呼ばれる伝承があることで有名です。
こんな話です。
昔、古宇利島に空から男女二人の子供が降ってきた。彼らは全くの裸であり毎日天から落ちる餅を食べて幸福に暮らしていた。最初はそれに疑問を抱かなかったがある日餅が降らなくなったらどうしようという疑念を起こし、毎日少しずつ食べ残すようになった。ところが二人が貯えを始めたときから餅は降らなくなった。二人は天の月に向かい声を嗄らして歌ったが餅が二度と降ってくることはなかった。そこで二人は浜で生活するようになり、魚や貝を捕って生活と労働の苦しみを知り、ジュゴンの交尾を見て男女の違いを意識し恥部をクバの葉で隠すようになった。この二人の子孫が増え琉球人の祖となった、と云う神話です。
本当に、アダムとイブのような話ですね。橋のこっちと橋の向こうでは、空気感が少し違ってました。橋は別世界を結ぶものらしい。さて、昨年、古宇利島へ向かう橋を渡ってた時にふとデジャブ感がして、記憶を辿ってみると、思い出した!セブンマイルブリッジ。
セブンマイルブリッジは、アメリカはフロリダ州、キーウエストに向かう道にかかるセブンマイルブリッジです。ユーミンのプロモーションビデオで見たヘリ映像に、この橋を渡ろうと、はるばるフロリダまで行ってしまった20代の頃の僕でした。
橋は何かと何かを繋いている。橋の向こうは違う世界。橋の向こうにあったキーウエストは、出発点のマイアミとは違う空気の街でした。マイアミといえば当時は、「マイアミバイス」。危険極まりないイメージの危ない街。ちょっと道を外れて人通りの少ないエリアに入り込んでしまったら、少年たちに追いかけられて冷や汗なんてことも。それに比べるとキーウエストは、観光客の多いリゾート地。スムージーなる飲み物を初めて飲んだのはこの時ではなかったかな。橋の向こうは別の世界、でも橋を渡って見ないとそれはわからない。
そしてキーウエストといえばヘミングウェイはこの街を愛し、しばらく住んでいました。「老人と海」、「武器よ、さらば」。そしてキーウエストの先端に立つとキューバが向こうに見えました。キューバ近いな。海の向こうのキューバでかかるサルサなるラテン音楽に、その後10年ほどしてハマるとはその時思いもしませんでした。サルサの話はまた今度。