人間関係の変化をそれぞれが受け取るのは、一般に容易ではありません。その新しい関係性に慣れるまでには様々な葛藤や障害、恐怖が押し寄せて来ることがあるでしょう。
例えば「家族」という単位でもこれは同じです。結婚し、まず同居が始まり、そして子供が生まれると関係性が変化します。子供は徐々に成長し、関係性は変化し、やがて巣立っていきますと、また夫婦の関係性は変化します。その間、関係性の間には様々な物語が生まれ、感情を使い、そしてまた新しい関係性が日々作られていく過程を、それぞれが受け止めて変化していくというのが理想的です。しかし現実には、無意識にある役割に没頭してしまって、現実を見なくなってしまったり、関係の固定化により、「こういうものである。」「こういう人である。」という風に決めつけてしまい、自分や家族としての安定を図ります。
実は家族関係というのは、精神病理学的に見ても、ものすごく多くの誘導因子を持つ関係と言えます。心理学の話ではないのでここでは割愛しますが、家族関係というのは、身体と同様、一人一人が大切にして欲しい、あなた自身の入れものの一つでもあるのです。
もし関係性が変化しても、平和な状況が長く続いた後などは、固定化されたことにも気がつきません。様々なケースがありますが、
例えば、状況の変化を受け止められないケース。関係が無意識化しすぎていいて、次の関係構築がうまく移行できないケース。それぞれが役割に埋没していて、それぞれがすごく我慢をしているケース。それを口に出さないからそのままその状況が続き、病気や心身疾患になってから初めて、感情が語られるケースなど様々なケースがあります。関係性を放置しておくと、中には自分の気持ちを言えなくて、自分からうつ病などの病気になったり、最悪自殺してしまうことさえあります。関係性の違和感が生じたら早めの対処を望ましいです。
関係性は、本来流動的で自由なものです。役割があまりにも固定化されすぎていると、知らず知らずに身近な人を追い込んでしまっても気がつけません。コミュニケーションの在り方。なかなか二人だけでは理解できない場合があります。ボディワーカーとして、お二人での相互理解を、ニュートラルな身体感覚から、ニュートラルな関係性を感じ、新しい関係を築いていくというプログラムを作りました。身体感覚から体現していく変化は、関係改善に強力なサポートとして期待しています。