三輪山は、奈良盆地をめぐる青垣山の中でもひときわ形の整った円錐形の山。古来、大物主大神が鎮しずまる神の山として信仰され、『古事記』や『日本書紀』にも出てきます。高さ467メートル、周囲16キロメートル、面積350ヘクタールのお山は松・杉・檜などの大樹に覆われて、一木一草に至るまで神宿るものとして尊ばれています。山と一体になった大神神社があります。
実はこの山へは毎年訪れています。忙しくて精神的に行き詰まっていた時期、ある明け方近くに、夢の中にこの神社と関係する存在が現れてこう言われた。我がもとへ20年通えと。無意識にそのことを承諾すると、不思議なことに、その翌週に三輪に住む方と縁が出来て、それから毎年通うことなったのです。実に不思議なお話ですが、実話です。次回も3月にまた三輪行きを計画しております。(実際は3度目の三輪行きの時に登山を許されこの物語は3年で縁が送られて、桧原神社から伊勢へと物語は進みます。)
大物主は蛇神であり、又水神または雷神としての性格を持ちます。『古事記』によれば、大国主神とともに国造りを行っていた少彦名神が常世の国へ去り、大国主神がこれからどうやってこの国を造って行けば良いのかと思い悩んでいた時に、海の向こうから光り輝く神様が現れて、大和国の三輪山に自分を祭るよう希望したそうです。
大国主神が「どなたですか?」と聞くと「我は汝の幸魂(さきみたま)奇魂(くしみたま)なり」と答えたという。『日本書紀』の一書では大国主神の別名としており、大神神社の由緒では、大国主神が自らの和魂を大物主神として祀ったそうです。 和魂(にぎみたま)と言うのは神道の考え方で一霊四魂というのがあり、1人の人間の霊には4つの魂があるという考え方の4つのうちの1つで、「親しみ交わるという力で。一文字で例えると「親」、平和や調和を望み親和力の強さを表しています。一霊四魂を中国の5行に当てはめると、荒魂は火、和魂は水、幸魂は木、奇魂は金、直霊は土、に相当するそうです。不思議な話です。
さて実際の三輪山は、表情が豊かで、激しさと優しさ、両面持った孤高の山です。僕は(畏れおおくて)まだ本山登山は行なっていません。
今回は登ってみようと思います。登山の許可を貰えた気がします。