私はロルファーになり、10シリーズという少し深い関係性のセッションを行うようになりました。
色々と試行錯誤しながらセッションを続けてきた中で、身体的な症状や動きのパターンや癖などは、心理的な影響や、関係性の影響も大きいという思いに至り、この2年ほど、精神分析的な勉強や、発達心理学、関係性について勉強してきました。
その前のロルファーになるトレーニングでも、バウンダリー、転移、逆転移、セラピティックリレーションシップについて等、関係性について学ぶが、もう少し深い部分で、人間理解を修し、セッションの質的な向上を図りたいと思ってきました。
人間は体だけで生きている訳でもなく、体と心、その双方の関わりや統合、健全性を持って、健康となっていくのだと思うからです。具体的には、10シリーズにおけるセッション10の在り方。つまりシリーズのゴール設定における幅の広さや、ロルフィングという秀でた統合技法を、もっと広い層に受けて貰いたいという思いがあったからです。
ロルフィングは、単に腰痛や肩こりを解消するだけでなく、身体の全体性を体現する統合技法であり、身体、精神、心、など、存在としての自分を統合方向に向かわせるきっかけとなります。自分の方向性や進路、人生を考え直す転機や中年期の精神的な不安定さなどを考える良いきっかけとなるものだと思います。ユングのいう「人生の正午」や、うつ状態が長く続く際などは、体からの統合は大きな助けになる、そう僕は確信しています。
日本人は、自分で考えて自分を前に進めていくことが多いが、アメリカでは、自分のカウンセラーがいて、カウンセラーと共に、メンタルの自己管理をしています。自分のことは自分で全てわかっているように感じますが、自分のことは自分で全て把握するのは難しい。カウンセリングは、自分のマインドを共感してもらう為にカウンセリングに通う。決して病的になってから通うものではないです。いい状態を続けていく為の心のメンテナンスと言えます。
アメリカ生まれのロルフィングは、身体的なカウンセリングみたいなものだと思います。自分の体で感じた体のニュートラルや楽な感じは、アメリカ人のように全て言語化された自我でなく、存在が言語化されてない日本人こそ、相応しいカウンセリング的な時間になる要素があると思います。
自分に感じる違和感。自分ではわからない漠然とした恐怖。体で感じる自己理解。自分の体の声を聞くセッションという時間は、あなたの人生を切り開いてくれる稀有な時間となり得ると思います。