縁があり、近松門左衛門が書き下ろした世話物、「女殺油地獄」(すごい名前だな)を観に行きました。
1721年初演。大坂天満(てんま)の油商河内屋(かわちや)与兵衛が,番頭上がりの継父の遠慮につけ込んで不良化し,借金に迫られて隣家の女房お吉に金の無心をし,ついに殺して金を奪う話です。
先日観た歌舞伎もそうですが、江戸時代の世話物、人情物、心中物などは、今時の価値観と少しズれ、なかなか共感しずらい面もありますが、近代化していない社会での、情念や関係性、信念体系がドラマチックに展開されていく様子は手に汗握ります。
歌舞伎と違って無機質な人形が舞いに、特徴を強調した動きと、大夫の語りと三味線で、物語を盛り上げていくところが魅力で、その分割された各要素が、五感から体に入ってきて、自分の中で、再構築される迫力が飛び込んでくるところが魅力的です。
人形一体に3人がかり、歌い手、弾きて含めると一体何人が関わっているのか!なんとも身体性の高い芸能なんだなと思いました。(全く関係ないけど、特徴的な舞いと掛け合いという組み合わせは、フラメンコにおけるダンサーにカンテとギターという関係にちょっと似てる気がしました。)