奈良で訪れた長谷寺では、五色線を頂きました。
観音様とご縁が結ばれたしるしの「結縁の五色線」。仏の五つの知恵をあらわす白・赤・黄・青・黒の五色の糸をより合わせた腕輪で、身に着けていると災いから守ってくれるそうです。
五色とは、青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)の 5色。古くは、中国の陰陽五行説からきています。万物は「陰・陽」の二気、それから「木・火・土・金・水」(もっかどごんすい)の五行で成り立ち、これら陰陽五行の要素で世の中は回っているという思想で、日本の文化に深く関わっています。「木=青、火=赤、土=黄、金=白、水=黒」に対応します。これが五色線の色となっているとのこと。なるほど。
長谷寺本堂の舞台の所にもこの5色で飾られていました。舞台からの眺めが素晴らしかった。舞台といえば清水寺ですが、ここも負けてません。人が少ないし、ゆっくりと過ごせます。
さて長谷寺というと、関東の人間だと鎌倉の長谷寺を思い出しますが、長谷寺は、その他、全国に250ほどあるそうです。鎌倉の長谷寺も同じく十一面観音を有するお寺で、鎌倉の長谷寺側の寺伝によれば、天平8年(736年)、大和の長谷寺の開基である徳道を藤原房前が招請し、十一面観音像を本尊として開山したといいます。この十一面観音像は、大和の長谷寺の十一面観音像と同木から造られたと伝わるそうで、関係性は深そうです。
どちらも一年を通じて花が咲き、素敵なお寺ですが、この大和長谷寺の方が霊場という感じで荘厳な感じがします。鎌倉の方は、観音様も、女性的で、優しく、穏やかです。見る角度によって表情が違う感じです。大きさも奈良の方が一回り大きいです。何れにしても十一面観音としてはこの2つが最大級のサイズなのでしょうね。この日は特別拝観ということで11面観音の足に触れれる位置まで行けました。十一面観音の周りを取り囲む仏像群も素晴らしいのでお見逃しなく。
さて、この長谷寺の舞台に立って、遠くの山を眺めるのは、ちょっと贅沢な時間です。しばしそれぞれに山と風景を堪能しました。鎌倉の長谷寺からは、海の眺めが綺麗です。それぞれに風やにおい、流れている時間が違う感じです。
来年の奈良巡礼?では、室生寺まで足を伸ばしたいと思います。