源義経が兄との和解を目指して箱根神社に奉納したという名刀、うすみどりを見てきました。
うすみどり、パステルっぽいですが、日本の伝統の色で、その名のとおり薄い緑色のことです。同じような薄い緑色を指す色名に『浅緑 あさみどり』がありますが、こちらは平安時代の格式『延喜式 えんぎしき』にも表記された伝統色で、色みも黄みがかった薄い緑色になります。
「熊野より春の山分けて出でたり。夏山は緑も深く,春ほ薄かるらん。されば春の山を分け出でたれば,薄緑と名付けたり。」
義経に取ってみれば、源平を共に戦ってきた大切な刀ですので、それを奉納するとは、兄との和解をよほど願っていたことでしょう。昔、紹介した絵本では、あおくんときいろちゃんが重なるとみどりでした。
さて最近はキミドリと少し黄色寄りのキャラ付けを多く活用していましたが、(セッションによっては色付けが必要なセッションがありまして、そういう時に使う色の種類の話です)
今年は、令和になり、伝統色、薄緑も取り入れていこうかと、この剣をみて思いました。この剣は持ち主により、「蜘蛛切 くもきり」「膝丸 ひざまる』「吠丸」「薄緑」と、度々、名を変えています。源氏重代の太刀です。(多分)切れ味抜群、畏ろしき剣です。
キャラクターとかブランドとか考えていくと、色的な個性付けも出てきたりするのです。そういえば、昔、数字が色で見えるというクライアントがいました。感情を温度で表現する方、臭いで表現する方、知覚の個性は、様々です。