MIYAKO YAMAZAKI-GRAY
は、ハワイ在住のアーティスト。家の近所の一軒家ギャラリー、SISONギャラリーで、昨年秋に初めてお目にかかりました。自然なグラデーションが素敵でした。自宅用に一枚買ってもいいかも、そう思わせたキレイな作品が並んでました。
さて、セッションをしていると、体の中はまるでグラデーションのように感じます。それは、色ではなくて、触感覚のグラデーション。テクスチャーのような、テイストのようなグラデーション。
足を触れていると体の状態がなんとなくわかってきます。理解ではなくて、感じる感覚の広がりは大きいですが、伝える言葉も、コンテクストもありません。
実際、我々人間の筋膜は多層な層のレイヤーになり、人間の体中を包んでいます。筋膜のボディのレイヤーを、僕の手は感じているのでしょうか。
自分はこうである。そういう単色のぎっちり塗られたような画一色のような人間はいないのだと思います。人間は多層的な存在で、一つ一つの面は、ゆらぎを持ったグラデーションのような存在だと思います。このグラデーションの濃淡がその人らしさやその人の面白さを作っている、そんな風に思います。
自分らしさは、色よりも、グラデーションのテイストのようにも感じます。かえって色は、自分の区切り時期に、思い切って変えてしまってもいいのではないか、グラデーションの方にその人の本質があるのではないか、そんな風に感じる時もあります。変えても、現れてくるグラデーション、生きている身体というのはそんなものなのかも知れません。
クライアントでも体感のよい人は、僕が感じているのと同じようなグラデーションを感じている方もいらっしゃいます。アーティストの方とか、もっとダイナミックなグラデーションを感じている方もいらっしゃいます。
デジタルな信号に同調しすぎて疲れた身体、自分が分からなくなった身体には、自然な自分に戻る時間、グラデーションを取り戻す時間、そんなひとときが必要かも知れません。