近年、医学界では健康の考え方にパラダイムシフトが起きているという。病気の原因を探る「疾病生成論」から、健康の原因を探る「健康生成論」へ。そこで人間が「健康」であるとは、どういうことか。本書ではSOC(首尾一貫感覚)、レジリエンスなど最先端の概念を縦軸に、ヒトラーや日本軍、ひきこもりなど多彩な例を横軸にして、斬新な「健康論」が展開されていく。 レジリエンスという言葉を紹介したい。埼玉学園大学 小玉正博教授はこう説明している。 「一般的に“心が強い”とイメージするのは、“鋼のような”、“跳ね返す”、“硬い”、“頑丈な”というイメージを持つが、レジリエンスというのは、楽観性のように自分のいる状況に対して前向きに、不安とかそういうものに打ち負けないでしなやかにこなしていく。そういう心の持ちようがレジリエンスだと言う。 自分が出会うものを、自分軸を中心にした在り方に、受け入れる。拒絶する。の2つでなくて、このレリジエンス感覚を持って生きて行く。今の時代に、幸福感を持って生きて行くために必要なスキルの一つだと思う。 さて、ロルフィングは体が統合していくことですが、これは一つの健康で幸福へのベクトルだと思っている。自分の体のミッドラインを感じ、そしてニュートラルを感じれとれることは、日常や生活で出会う様々な情報や行為を自分に必要かどうか、一時的なものか、関係を結ぶものかを受け取り、判断する基準になっていくのだと思う。といっても、ニュートラルは、そんなに真剣にくそまじめにやることでなく、楽観的に、力を抜いて、ゆる感覚のニュートラルを僕としてはお勧めしたいと思います。